喫茶ピーコックの創業は1964年、昭和39年です。
今の今まで同じ場所、服部天神駅東側改札横で半世紀以上営業してきました。
僕が家業を継いだのは今から15年前、25歳の時。
それ以来ほぼ毎日、駅前には顔を出し、店にいたり服部をウロウロしたり。
日曜日だろうが正月だろうが、全く通過もしないことはほとんどなかったように思います。
昔話や昔の写真を見返したりするとそれなりのエピソードや伝説・歴史があるわけなので、「ここは僕の店なんだ!」みたいな気持ちは微塵もありません。
もちろん事業者だし責任もあります。でも、服部を構成する景色の一部って感じが近いです。
指定管理責任者みたいな感じでしょうか 笑
どれだけ儲かろうがそそのかされようが、望まれてもいないようなことなんてする気も起きません。
これぞまさに、私的な公共なんです。
そんなこと考えてるので、今の店になってからはハコで色々催すようになりました。
フリマ、マルシェ、映画上映、手話カフェ、教室、カレー屋、工作、餅つき、ライブ、会議、まああれこれと。
どれを思い返してみても、楽しい日曜日です。
平日にやらないのは喫茶店だから。
お客さんのジャマはしません。
駅から徒歩1分以内で40席、広さもそこそこあってキッチンや電源などもあるので、まぁいろんなことができるんですよね。
で、最近はイベントや市民活動なんかもあちこちで盛り上がっているし、マルシェや講座なども個人や団体で頻繁に開催される時代になっています。
そんなことも相まって「お店を貸してほしい」というようなことを言われることが多くなってきました。
僕は面識ないけど、誰かに聞いてという場合もあります。
でもいつも僕が言うのは「ピーコックはレンタルやってないんですよ〜、喫茶店なので、、」です。
これは事業でもなんでもなくって、僕が個人的にやっている遊びで、やりたいからやってるんですよね。
逆にいえば、「僕の関わりが薄く、やりたいという気持ちでもない」ことに関しては動きません。
これまでに場所代や光熱費も頂いたことはありません。
それは僕も参加者であり運営者であるからです。
自分の遊びなので、経費もなんもないんです。
お話を頂いた時に、、、
僕が面白い!楽しい!と思えて、まちに開かれていて(誰でも参加できて)、意義のあること。
「見たい景色」かどうかが大事です。
その景色、僕も見たいので一緒にやりましょう(^^) って言ってきました。
こないだ「一生懸命を笑え.net」にも投稿したんだけど。
【閉じていく世界】
■ https://isshoukenmeiwowarae.net/post-657
「お金では買えないもの」がこれからは増えてくると思います。
「繋がりや関係性や価値観や共感で引き寄せることのできるもの」がたくさん出てきます。
むちゃわかりやすく言うと「常連さんにしかお出ししていないんですよ」みたいなことです。
そういうことができるお店というのは経営が安定しているお店です。
潰れにくい状況だからこそ、目先の利益ではなく、関係性を重視します。
これを個人に置き換えた時に、社会の利便性や快適安全性が上がっていくと、飢えや野垂れ死にみたいなことは格段に減ります。
時代の流れに気付き、消費から開放され、ベーシックインカムみたいなことが起これば、必要以上にお金を集める必要はなくなってきますよね。
個人としての経営(生存オペレーション)が楽になるというのは、経営が楽になった店と同じです。
ということは「常連さん同士の時間のやり取り」が価値交換の手段になってきます。
(※この場合の「常連さん」はピーコックのお客さんの話じゃないですよ)
例えば、レストランで席は開いてるのにドアの手前で「満席なんです〜」と断られてしまう。
これも「お金」が通行手形じゃないんですね。
こういうのツイッターだと炎上しそうですけど(お金を払うんだから当然だろ的な話)、だってそうなんだもん。
お金を受け取って何もしないのならどうかと思うけど、そもそもお金は受け取らないという話です。
ついつい僕らは時代背景的にも「お金があればすべてのサービスを受けることができる」と考えがちですけど、お金ってそういう機能は備わっていません。
お金は相互信用で成立する道具なので、「お金ですよ」と「お金じゃないんですよ」の間では交換取引が成立しないんですよね。
「お金じゃないんですよ」の時代がだんだんと近づいてきています。
生きていける時代だからです。
例えばの話。
地域通貨でしか食べられないカレーがあるとします。
むっちゃおいしいカレーです、最高なんです。
でもそのカレーはお金じゃ買えない。
地域に少しだけ流通する「通貨」でしか食べることができない。
そしてその通貨を手に入れるには「みんなでゴミ拾い」をすること。
カレーを食べたいからゴミ拾いをする。
まちが綺麗になったからカレーをご馳走する。
これも立派な価値交換です。
そういう時代が来ます。
楽しみです(^^)
この記事へのコメントはありません。