思い出が地元を強くする。

 

 

●中豊島小学校区

 

大人になってから気づいたんだけど、服部幼稚園→中豊島小学校→第四中学校っていうのは地元のメインストリームらしかった。

父親もそうだし、地元商店主とかにも世代を問わず同じ道の人がたくさんいる。

話の弾みで同じ道だということがわかるとなぜか「校歌」の話になったりもする。

そんな僕が家業を継ぎ、商店会長になり、自治会長も兼任し、民生委員にもなった。

全部「服部元町1丁目、中豊島校区」でのことだ。

 

最近は良くも悪くも「おらの町」感が出てきてしまって、両津勘吉でいうところの「亀有公園前」くらい自分事になってしまっている。

僕が死んだら駅前に銅像でも立てようかな。笑

 

住民さんや商店主はもちろん、工事業者や行政、何やらよくわからない肩書きの人までがウチの店を訪ねてきては用件を説明する。

店がちょっとした窓口や詰め所のような役割をに担うようになった。

 

子供の頃はまさかこんな人生になるなんて思ってもみなかった。

でも、僕が子供の頃にも同じような役割の人がいたからこそ地元で楽しく暮らせたのだろうから、今度はそれを僕が担う番なのだろう。

そう考えると、今の地元のこども達には地元でめちゃくちゃたくさん遊んで思い出を作ってもらって、そのバトンを渡したいと思っている。

 

・・

 

●ぼくのなつやすみ

 

絶賛夏休み中の小学生を見かけると何とも言えない気持ちになる。

これが「エモい」というやつなのだろうか。

 

今の小学生は塾やらネットやら宿題やらで忙しそうだけど、僕の記憶では当時ひたすらセミを捕っていた。

飼うとか観察するとかそういうのは一切なく、「目の前にいるから」という理由だけで捕っていた気がする。

もはや虫網なんて必要がなく、鷲掴みで捕ってた気がする。そしてその後は思いっきり遠くにぶん投げる。

 

セミに限ったことではなく、カナブンも虫カゴパンパンに捕ったし、ブルーギルも釣りあげたそばから遠投したりした。

カメも捕まえてきてしばらく飼ってみたり、ザリガニも同じ水槽に入れたりして戦わせたりしていた。

おたまじゃくしをカエルにしたり、アリを虫眼鏡で焼いたりした。

天竺川で泳いで南に下りすぎて神崎川まで出てしまったり、花火をまとめて点火したら大爆発したり、ヘビをジャイアントスイングしたり、緑地プールで食べるシーフードヌードルに舌鼓を打ったりした。

 

夢を持つことや目標に向かうことはたしかに大切だけれど、かけがえのない時間は取り戻すことができない。

「ぼくのなつやすみ」というゲームが成立するのは、その原体験あってこそなのだ。

 

・・

 

●重版、楽しみにしていますよ

 

20代の頃は小説やエッセイをよく読んでいて、おぼろげながら「もの書き」に憧れていた。

当時から小さなZINEや手製本で冊子を作ったりもしていたし、公募ガイドを見たり、ショートを書いてネットに上げたりもしていた。

 

それからずいぶん、読むことや書くことからは離れていた(SNSでの日記や商業的なコピーを書いたりはしていた)けど、最近またエッセイや短い小説を書くようになった。

50歳までには1冊くらい本を作りたいなと思っている。

叶えたい夢のひとつだ。

 

少し前に名刺を作り変えるにあたって「作品」のようなものにしようと、読み物を添えることにした。

添えると言っても、もうほぼそれ自体が読み物で、名刺としての役割は「奥付」を代用している。

 

「りとる」というタイトルの小説を1000文字くらい掲載した、折りパンフレットのような仕立て。

仕上がりはB8サイズなので携帯にもちょうど良い。全部で8ページある。

せっかく作ったのだからということで、店にも置いている。

 

先日、あまり見かけないおじさんが手に取り読んでくださって、帰り際に「これ、初版なんですね。重版、楽しみにしていますよ!」と笑顔で声をかけてくれた。

他にも数人、持ち帰ってくれたりもした。

 

店のような場所があると、自分の作品を世間にお披露目できる。

誰のジャッジもなくいきなり世に出せるのはありがたい反面、受け入れられない不安もある。

 

そういう時に、励ましの声は本当に嬉しい。

「コーヒーが美味しい!」と言われた時よりも数倍嬉しかった。

 

それはきっと、コーヒーよりも文章のほうが直接的な表現だからだと思う。

そのぶん、厳しい声にはダメージも大きいんだけれど。

 

今のところ誉められることが多いので、しばらくは調子に乗っておこうと思う。

 

りとる①「夕方のジャズは僕に語りかける」

 

・・

 

●店主のラジオエッセイ『宇宙 日本 服部』

・001-必要なのは、走り始め続けることだ。

 

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