喫茶店とはそういう場所なのだ。

●あなたの知らない服部

 

僕が主宰している市民活動団体、ローカルライフファンクラブ【ハットリー!】では地元暮らしの便利マップ「服部とことこマップ」を企画中なんだけど、それに伴ってここのところ服部じゅうをチャリで爆走しまくっている。

 

どれだけの情報をマップに落とし込むかを精査するために、飲食店以外にもお店や施設や事業所をまずはリストに加えていくんだけど、その全件制覇が鬼の500件くらいある。

住宅地図を片手に全部の道(国道はもちろん路地まで!)を紙とペンを片手に走り抜けていると、途中では「え、ここ何!?」みたいな店もあるし、路地奥の長屋を抜けた先にスナックがあったりもする。「場末」ってここだったのね。

 

商店会や地域活動でそれなりに服部については知っているつもりだったけど、まだまだ奥が深い。

ウラ難波・ウラ天満に続き「ウラ服部」なんて言葉が出たこともあったけど、あれは全然ウラじゃなかった。

本当のウラはもっと奥深くにある。

 

マップで走り抜けているのは主に路面店。雑居ビルの上にはまだまだ未知の世界が広がっているんだろうか。

看板の出ていない一軒家やマンションの一室では何が行われているんだろうか。

 

あなたはきっと知らないだろう。

僕も知らない。

 

・・

 

●「ガラ」にあう店

 

職業柄(というか興味があるので)、個人の喫茶店に行くことが多い。

雑誌で見かけて気になる店を覚えていることもあるし、知らない町でググって探すこともある。

SNS絡みは変に脚色されていることが多いのであまり信用していない。

 

これは当たり外れというよりも個人の主観だし好みでもある。

なので頼りになるのは自分の勘。

 

「お、なんかここ良いかも!」ってやつだ。

味・立地・価格・お店を選ぶ基準は色々あるけど、僕はもしかしたら「棚」かもしれない。

本棚、商品棚、飾棚、食器棚とか、とにかく「限られたスペースに何を置くのか」に全てが詰まっているように思う。

 

個人店なので、その編集は店主によるものだろう。

そういう世界観の強い店ほどお客との繋がりが強く、わかりやすく言えばファンが多い。

 

上品だから良いとか下品だからダメとかそういうのではなく、店主とお客との間に「うんうん、わかるよ」とか「そうだよね、ですよね」みたいな無言のコミュニケーションがあり、その取っ掛かりに「棚」がある。

 

そういう意味ではウチももっと棚に世界観を乗せていこうと思った。

そのひとつひとつについて、熱弁できるくらいに。

 

・・

 

●本と棚と文

 

店主によってはその取っ掛かりを本に委ねるのかもしれないし、レコードジャケットや観葉植物や直筆の書に委ねることもあると思う。

どの種類をどれくらい、どこに置くのかで印象は変わる。

 

喫茶ピーコックも本は多いけど、いま並んでいるのは僕の読了書ばかりで(しかも手放しても良いと思っているもの)どうも温度が乗らない。

本当に大切な本(手放したくないもの)は別の棚に保管してある。

 

でも編集されているのはその「別の棚」のほうで、そっちを表に出さないと世界観は生まれない。

なので近々、【非売品】の棚を作ろうと思う。

僕が大好きな本や影響を受けた本、手放したくない本をギャラリーのように並べる。

 

「売らないけど見せたい」なんて店主のワガママに付き合ってくれるお客がいるのかどうかはさておき、まずは自分からハラを割らなきゃ始まらない。

「店主のクセが強すぎると客が寄りつかない」とか言うけど、「クセのない個人店」ほど弱いものもないし、その店はきっとドトールやスタバに駆逐されるだろう。

 

毎週のようにこんな文章を書いているのだから「何を今さら」感があるけど、個人店とはそもそもクセの塊で、なぜクセがあるのかと言えば人間だから。

人間のクセを排除したのはそもそも農耕と工業社会によるものだし、もういちど狩猟採集時代に戻るのも良いかもしれない。

 

世界を歩き回り、自分の感性で狩猟採集する。

それを巣に持ち帰り、棚に並べる。

 

そして湯を沸かし、コーヒーを淹れ、お客を巣に迎え入れる。

 

喫茶店とはそういう場所なのだ。

 

・・

 

●店主のYouTubeラジオ【宇宙 日本 服部】

「棚に並べ、棚を磨く」

 

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