17歳から20歳まで働いていた、西中島南方の喫茶店。
夕方に毎日来る、白髪の紳士でどこかの会社の社長さん。
ものすごく几帳面な方で、タバコを1センチ吸っただけで消しちゃって、灰皿に同じ向きにきれいに並べていく人。
21歳の時に少し働いていた、西梅田の喫茶店。
毎朝7時の開店と同時にカウンターに座る、マンデリンブラックのおじさん。
コーヒーとタバコと新聞。
マスターと静かに喋りながら、朝の時間を愉しんでた。
25歳から始めた、喫茶ピーコック。
「俺は頭が良すぎておかしくなったんや〜」と言って毎日来る変わったおじいさん。
他のお客さんにすぐ「タバコ1本欲しいねんけど」って言うもんだからよく注意してた。
バンドをやっていた時もレコーディングスタジオでメンバーがタバコを吸いながら「もうちょっと右に振ったほうが、、」とか「キックの音もう少し前に出そうかな」とか言ってる時に、僕は「でん六のブロックピーナッツチョコ」をほおばりながら頷いてた。
昭和39年から続く喫茶店を営む家に生まれて、他の喫茶店でバイトしたり音楽にのめり込む中で「タバコ」にはいろいろな思い出があります。
でも僕は、今までに1回も吸ったことがないし、指に挟んだこともなく、吸いたいとも思ったことないんですよね。
喫茶ピーコックはずっと喫煙だったし、タバコを吸いに来るお客さんがたくさんいます。
禁煙にすることについては店頭の張り紙にも書いたんだけど、とはいえ何かひとつ楽しみを奪っちゃったような気もしています。
なかなかの決断でした。
オリンピックや万博や世界の基準、地球のことや健康のこと。
社会は色々なことを内包しているし、時代の流れや環境への適応も大事。
「 地域のお茶の間として100年続ける 」
事あるごとに繰り返しているこの目標を達成するために、喫茶ピーコックはあらゆる手を尽くします。
もちろん、売り手よし、買い手よし、世間よし、です。
あと、44年。
よろしくお付き合いください。(^^)
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