ピーコックはね、すぐ売り切れちゃうんですよ。やる気あんのか?くらいの勢いで。だから、急にたくさん来られても困る。笑
でも、僕は思うんだけど。
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いつ、どれだけお客さんが来ても、売り切らしちゃいけない。機会損失だ。
そのために倉庫にはたくさんの在庫を抱えて、毎日しっかり仕込もう。
手際よく売るために作り置きをして、目立つポップを立てまくろう。広告で煽って売って売って売りまくろう。
それでも余りそうなら値引きして、余ったら破棄しよう。
そのロスの分も予め価格に含めておこう。
店がヒマならバイトには帰ってもらって利益を確保しよう。
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節分の巻き寿司とかクリスマスケーキとかもうまさにそんなんだと思うけど、働く人のお給料が上がらないのって、
・作り置きをストックする冷蔵冷凍庫
・在庫を抱えるためのでっかい倉庫
・売りまくるための広角宣伝費
・廃棄分のコスト、ロス、処理費
・もしも忙しかった時のための人件費
な気がする。
(※もちろん損益分岐点みたいなのはあるだろうけど)
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ピーコックは
・たくさん買わない→場所取らない
・たくさん仕込まない→ロス出ない
・たくさん売らない→広告宣伝費なし
・作り置きしない→破棄しない
・ひとりでやってる→無駄な時間がない
っていう感じで、とにかく『がんばって売らなきゃいけない状況』にならないように工夫しています。
メニューの数が少ないのも、ロスや廃棄が出ないように。
ごはんをバターライスにしているのも、長持ちするからです。
盛り付ける量もお客さんの顔みて決めてます。
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コーヒーゼリーやプリンは作り置きだから辞めたし、カレーは冷凍には向かなかった。ケーキも数を絞ってるし、余ったら僕が食べる。
結果的に注文を受けてから作り始めるものばっかりで、手間はかかるけどロスが出ない。すぐ売り切れちゃうけど。
スープやサラダをセットに組み込まないのも、手つかずで捨ててしまうのが嫌だから。
コーヒー豆かすは畑に引き取ってもらってるし、パンの端はラスクになる。
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SDGsな交流会でも、名刺交換の横でケータリングの料理が乾いていく。
話に夢中でサラダがしなびていく。
遠慮のしあいでお皿があかない。
結局、乾いた刺身としなびたサラダと遠慮が招いた残骸を横目にフォローバック合戦が繰り広げられる。
魚を獲った漁師さん、野菜を作った農家さん、腕を振るった料理人の時間がゴミ箱に捨てられる。
そりゃ人類がどれだけ時間を投下しても時間が足りないわけですよね、自ら捨ててるんだもん。
会食や交流会は定食か丼が良いと思うんだけど。
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売れそうな分だけ仕入れて、注文を受けてからつくる。なるべく長持ちするように工夫する。余った時の活用もしっかり考える。
なるべく、繋がりのなかで循環や融通させる。
大きな声で必要性を煽るより、本当に必要とされる人に必要とされる分だけ働きたいと思うんです。
お金に換わらない時間は、話を聞いたり手を動かしたりすれば良い。しっかり寝るのもてのひとつ。
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食事も、情報も、繋がりも、
必要なときに、必要なだけ。
これが滞りなく淀みなく起こればいいな。
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『売り切れました、すんまへん~!』
1日の終わりに、みんなでこれを讃え合うような日々を過ごしたい。
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